ごはんを食べている子どもの手だけが描かれていて、 あとは、その子の目線に入る食べ物の絵と、 食べている時の音だけで進むのだ。 その擬音がまた妙（笑） かぼちゃの煮付け？は モモッ　ポフ　ポフ　ポフ　ポフ　ポフ って食べるんです〜。 これ、おはなし会でやったら、 みんな一緒にまねしてくれるかなぁ。

途中で漫画のコマ割りみたいなページがあって （『スノーマン』みたいな感じでね） 絵本読みには向かないけれど、気に入った〜。 はじめて一人でおじいちゃんちに泊る男の子。 どうやらおじいちゃんも一人暮らしみたいで、 一晩ふたりで過ごさなきゃならない。 男の子のちっちゃな胸は不安でいっぱい。 でも、心配ご無用！ おじいちゃんは、まずお風呂屋さんに連れて行ってくれた。 それから、昔むかし、おじいちゃんが大冒険した 海の向こうの小さな島のおはなしをしてくれた。 「それからどうしたの？」を繰り返し、男の子はどんどん、 おじいちゃんの話に夢中になる。 そうして二人、ふわりふわりと眠りの中…。 おじいちゃんの話が盛り上がるにつれて、 現実社会から夢の島へと風景が変わる絵も素敵。

とってもシンプルで、 飽きのこなさそうな「おしょうがつ」絵本。 谷川さんのリズミカルな詩と、大橋さんの切り絵が、 お正月と言えばこれ！みたいな感じで目に飛び込んでくる。 そう、表紙にかるたが描かれているんだけど、 ほんとその札みたいな絵本なのよ。 左ページが読み札で、右ページが取り札。 たとえば「おとしだま」という札… 　ほしい　ほしい　みんなほしい 　うちゅういっぱい　おもちゃがほしい わはは（笑）欲望には際限がないっちゅ〜ことやね。 それは子供も一緒さね。 あー、そうなると表紙に描かれてて、 読み札のないやつが気になる…。 いぬぼうカルタっぽいのもあるけど…。 絵から想像して自分で作るのもおもしろいかも？

最初にひとつだけ注意！ この絵本はまだサンタクロースを信じている子には 読ませない方がいいです〜。 本文中でおもいっきり 「あれはつくりばなしさ」とか言ってますから（笑） マサキのお父さんは冬の間、 出稼ぎに行っていて帰ってきません。 もうすぐお正月。 クリスマス・プレゼントをもらえなかったマサキは、 おばあちゃんに 「うちにはサンタ来ないのかな？」と聞いてみます。 すると、おばあちゃんは 「おしょうがつさんなら来るよ」と言うのです。 おしょうがつさんって、一体どんな人なんだろう？ マサキはいろいろ空想しながら お正月が来るのを待つのですが…。 まぁ、80年代の絵本ですのでね。 今でも出稼ぎに行ってるお父さんはいると思いますが、 通信の発達で「冬の間ずっと話もできない」 みたいなことはなくなったんじゃないかしら。 それでも、大好きなお父さんがいない寂しさと、 雪深い家の中で空想する 「おしょうがつさん」との出会いが あたたかい絵柄でうまく表現されていると思う。 なお、巻末にはお正月の由来や行事、 やっこだこの作り方なんかも載っていますよ。

いままで絵本に接して来なかった年月が長いから、 こういう…自分の心にヒットするものが、 まだまだたくさんあるんだろうな。 ある意味、楽しみでもある。 くまのポトフくんの家に次々とやってくる、森の仲間たち。 セリフはみ〜んな一緒。「おめでとう！」 「おたんじょうびおめでとう」もう誕生日だっけ？ 「クリスマスおめでとう」「あけましておめでとう」 まだ早いんじゃないの？ 「ゆきどけおめでとう」まだ雪、降ってないんですけどね？ 仲間たちに、いちいちツッコむ言葉が愉快！ いったい何だって、みんなして押し寄せてくるんだい？ その答えは…うーん、ポトフくん、愛されてるなぁ。 すごく幸せな気持ちになりました。 お正月ネタにするにはどうかとも思ったけど、 リスのおじょうさんが新年のあいさつをしてるし （ごていねいに、おせちまで持参で）良しとしましょう！