親離れ＆子離れのおはなしだね。 森のほらあなに住む、おおくまさんとちいくまくん。 ある日、ちいくまくんは遊んでいて 近くに小さいほらあなを見つけます。 「これは自分の部屋にぴったりだ！」 そう思ったちいくまくんは、 おおくまさんに頼んでベッドやテーブルを運びこみます。 新しいお部屋が気に入ったちいくまくんは 晩ごはんもひとりで食べます。 そして、夜がふけ、ひとりで眠ろうとするのですが…。 自立心が芽生えてきて 「自分の」ものが欲しくなる頃の子どもって こんな感じかなぁ？ 「ひとりでできるよ！」と主張するちいくまくんを 見守るおおくまさんの 少し寂しげな様子がキュートなのだ。

スウェーデンのサンタクロースのおはなしです。 クリスマス・イヴの夜に、 ひとりでおるすばんをしていたウィグ君。 そこにクリスマス・トムテンがやってきて 「プレゼントを配るのを手伝っておくれ」と言いました。 ふたりは雪の町へ出て、家から家をまわります…。 トムテンは、小さな白ひげのおじいさん。 人間の家に贈り物を配るだけでなく 途中で「はたらきこびと」に出会うのも、おもしろい。 『ハリー・ポッター』の屋敷しもべ妖精の元ネタかな？ 王様たちにあげる贈り物と、町の子にあげる贈り物で 豪華さに差があるのがスゴイ（笑） そこんとこは変に平等にはしないんですねぇ。

クリスマスになると町に出没する「にせもの」サンタ。 ほんもののサンタは実におもしろくない！ ひげはにせものだし、おなかにはマクラが入ってるし のんびりカフェでコーヒーなんか飲んでるし。 腹がたったサンタは、にせものたちのひげをはぎ取って そりに山盛りしてご帰還。 ところが、それを見たサンタの奥さんは…。 奥さんがいるんだ（笑） おこられてシュンとするサンタが、ちょっとかわいい。

遠く旅先から我が家へ、クリスマスに帰ってくるともだち。 帰路のトゥートは雪の降る中、心はやる。 帰りを待つパドルは、急いでクリスマスの飾りつけ。 ケーキの用意も忘れないで。 けれど、大雪で歩いて帰るはめになったトゥートは 途中で一歩も進めなくなってしまう。 そこにあらわれた影は…。 クリスマスのために帰ってくる家族に向けて ほんわか素敵な一冊。

三色刷りの、おさえた色調。 赤と緑、クリスマスカラーの小さな絵本です。 クリスマスが何かを知らない小さな女の子が 森の中へクリスマスを探しに行きます。 道中、やっぱりクリスマスを知らないネコやイヌが 旅に加わり、一行はさらに森の奥へ。 みんな「クリスマスはどんなさわり心地？」 「クリスマスはどんな味？」と興味津々。 仲間を増やしながら、どんどん先を進み 五日目の夕方に女の子が見つけたものは…。 本来、クリスマスというのは クリスチャンの神聖な祭事なのでしょうが そうでない人間にとっても、一年の末に いろいろなものに感謝する日と思っていいのでは。 ついに見つけた“クリスマス”に対する 動物たちのコメントが それを言いあらわしているような気がします。