ミステリのオールタイムベスト本などに、 よく題名が載っていて、ずっと気になっていた本。 やっと読むことが出来ました〜。 いままで敬遠していたのは、わりと分厚いから（笑） でも、読み出したら全然！あっというまに読めたよ。 刑務所で知り合った三人の男たちが、 今後の生活資金にするため、 和歌山に住む地主の刀自（老女）の誘拐を企む。 金は欲しいけど殺しはゴメンで、もちろん捕まるのもゴメン。 計画を練りに練り、屋敷の近くにアジトを作って時を待つ。 そしてついに刀自の身柄をとらえるのだが…。 正直、最初の方の計画段階から刀自が誘拐されるまでは、 ちょっと退屈気味な展開でした。 でも、誘拐「された」お婆ちゃまが、 逆に誘拐犯たちを翻弄しはじめるあたりからはノン・ストップ。 犯人たちは当座がしのげるお金を要求するつもりだったのに、 お婆ちゃまが「私はそんなに安いんかい！」と激怒して、 身代金は百億円につりあがり（笑） アジトから街なかに借りておいたアパートに 連れて行こうとすると、 「そんなとこすぐにバレる！」と怒るのみならず、 私だったら…と候補地まで上げてくれるのだ。 もちろん、それはお婆ちゃまが単にお人好しだからではなく、 彼女には彼女の目的があるからなのですが、 もともとそんなに大悪人じゃない三人は、素直に乗せられ続け、 そのうち身代金の受け取り方法まで伝授されたりして…。 これが硬派な犯罪小説だと、 結末もつらいものになるところですが、ご安心を。 この物語ではそうはなりません。 とはいえ、誘拐はあくまで犯罪ですからね〜！