親友が作ったサラ金の保証人になっていたせいで、 その親友とともにヤクザの運び屋にさせられそうになった道郎。 彼らは借金を手早く返す方法として、偽札造りを思いつく。 狙うはATMの両替機。 もともと機械やパソコンに詳しい彼が考えた方法で、 大金を手にしかけたのだが、その腕を狙ったヤクザは親友を拉致、 道郎は窮地に立たされる。 そんな彼に接触してきたひとりの老人、コウさん。 一般市民とは思えない彼の機転で、道郎はからくも逃げ出した。 そして５年後。 コウさんのもとに身を寄せ、顔と名前を変えた道郎は、 満を持して復讐に取りかかる。 方法はもちろん新たにして、さらに精度の高い偽札造り。 実はコウさんも、偽札に魅せられた男だったのだ。 出所してきた親友、コウさんが働く印刷会社の娘、 コウさんの昔の仲間…それぞれの思いが重なって進展する計画。 しかし、意外なところであのヤクザたちが関係してきて…。 あ〜、こわっ。 なんか本当に作れちゃいそうなくらい細かく書いてあるの。 昔と違って「板」を彫って刷るだけじゃなく、 スキャナーで取り込んで印刷するわけです。 それも大々的に会社の印刷機とかで！ 後半になるにつれ小難しくなってきたので、 作成方法はだいぶ飛ばし読みしましたが（笑） それを差し引いてもおもしろかった。 こういうクライムノベルは、 犯人側が成功してほしいと思わせたら勝ちだよね。 ちなみに、この本が書かれたのはずいぶん前なので、 現在はこの通りにしても、もちろん刷れないでしょう。 ただし偽札をどうやって換金・流布するか…の部分は、 意外と応用できるかもよ〜ん？