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★作者 | 恩田陸 |
| ★出版社 | 祥伝社 | |
| ★装幀 | 中原達治 | |
| ★データ | 1999年4月刊 祥伝社文庫 | |
| ★ISBN | 4-396-32677-7 | |
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ある日突然、初めて会った人から「あなたは母の生まれ変わりです！」 なんて言われたら、どうします？ しかも、その理由に何だか心当たりがないでもない…という時は。 この話の主人公、万由子は、子供の頃から勘がするどく、失せもの探しの名人でした。 しかし、長じるにつれて、それを他人に知られないように隠しながら生きてきた。 そんな彼女が、ある画家の遺作展で突然、気を失ってしまうんですね。 で、意識が戻ったら…はい、息子が言った冒頭の台詞。 そんなバカなと否定したいところだけど、 万由子には画家の死因になった首の刺し傷のあたりに痣があるし、 気を失ったのも初めて見た画家の絵に覚えがあったからだし、 しかもその時、誰かに殺されたことを暗示する幻覚を見たし。 結局、万由子は上司である大学教授とともに、画家殺人事件の真相を探ることにします。 ところがその途端、脅迫めいた出来事が続くようになり…。 なんだかオカルトっぽい始まり方ですが、 おどろおどろしい書き方はしていないので、読みやすい。 万由子が本当に生まれ変わりかどうかという問題と、 誰が画家を殺した犯人なのかという二つの謎が、 お互い絡みあって、少しずつ真実に近づいていきます。 万由子と教授のやりとりも、テンポがよくて、いい感じ。 シリーズものじゃないのが、残念だわ〜。