浮気夫への傷害事件から逃れてフロリダにやってきたヘレン。 身元を隠すためにもぐりこんだ高級ブティックの客は、 彼女の生きてきた世界にいたのとは別人種のような女たち。 共同住宅の家賃を払うのもギリギリな給料ながら、 南国の陽気な暮らしと、 店の常連たちとの関係も楽しくなってきた頃。 店長のクリスチーヌが 洋服以外のものを売っているのに気がついた…。 居場所がバレては困るため、警察に相談できないヘレン。 ところが店にからんだ殺人事件がおきて、 彼女は犯人扱いされてしまう。 これ以上、自分の身元を探られないためには、 先回りして真犯人を見つけなければ！ いや〜、大家さんと住宅の仲間たちを巻き込んだ 探偵仕事も面白かったけど、 なんちゅっても、セレブ気取りの女たちの 「デスパレード」な裏事情がスゴイですぜ。

今回は書店に転職したんだけど、 ここのオーナーがまた最悪（笑） だいたい現金払いでしか仕事を得れないから、 どうしても怪しげな経営のところになっちゃうんですね〜。 舞台が本屋だけに、 ブティックの時と違って身にしみて苦労がわかる。 それにしても…売り物の本にその扱い…ひどい客層だなぁ！ さて、肝心の事件のほうはといいますと。 ヘレンたちの下宿にシロアリが出て、 駆除のため全員で別ホテルに滞在することに。 ところが、帰ってきた途端、 ヘレンの友人でもあるペギーの部屋で、 なぜか書店オーナーが胸を刺されて死んでいたのだ！ 害虫駆除の薬品は猛毒のため、 処置中は二重に鍵がかかってた部屋。 ということは、まず、これ密室なんですよ。 いまどきの海外ミステリ…しかもコージー系で密室なんて。 それだけでもう、うきうきしちゃうよ、ワタシゃ！ （しかしアメリカって、 人間が死ぬかもしれんような駆除剤使うのか？） ペギーを助けるために頑張るヘレンですが、 前回にもまして容疑者は二転三転。 害虫駆除業者、オーナーの妻、書店の同僚たち、 ちゃんと順番に怪しいやつが浮上してくるのが、 おもしろい。 ちなみに、合間にちゃっかり恋人探しも続けてるヘレン。 男運悪過ぎて同情しちゃうわ（笑）

〈崖っぷち探偵〉ヘレンのシリーズ第３弾！ 毎回、ついている仕事を連想させるタイトルがいいね。 今回は、電話セールスのお仕事にありついております。 罵声やイヤらしい通話相手にうんざりしながら、 それでも結構いい成績を上げていたヘレン。 ある日、つながった電話の先で、 女性が殺される断末魔の声を耳にした！ あわてて警察に通報するも、その家に死体や痕跡はなく、 逆にあやうく自分がクビになりかけちゃう。 けれど、腑に落ちないヘレンは、 通話記録から女性の姉にたどり着き…。 たて続けに３冊を読みましたが、どれも外れないです。 今回のヘレンはちょっと積極的すぎる気もするけれど、 まさに当事者という道義的な理由があるからな。 そして、今回はついに「幻のお隣さん」フィルも登場！ 途中でまた、ヘンなヤサ男に吸い寄せられてる 男運のないヘレンですが、 そちらもどうなりますやら…ってのも、毎回楽しいです。