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★作者 | ボリス＝アクーニン |
| ★訳者 | 沼野恭子 | |
| ★出版社 | 岩波書店 | |
| ★データ | 2007年刊 | |
| ★ISBN | 978-4-00-024634-7 | |
| ★分類番号 | 983 | |
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ちょっと変わってておもしろかったです。 ロシアン・ミステリー。 時代は19世紀末、舞台はヨーロッパ。 パリで一家10人惨殺事件があったという新聞記事がまず出てきます。 次に捜査を担当した警部の一人称で、現場から、 事件後すぐに出航した豪華客船リヴァイアサン号の乗客がつける 記念バッジが見つかったことが報告されます。 犯人逮捕のため、途中の港から船に正体を隠して乗り込んだ警部は、 あやしそうな人物ばかりを自分のサロンに集めて観察することに。 客船は疑心暗鬼な人々を乗せたまま、一路インドへ。 そして第二の事件が…。 嵐の孤島・雪の山荘につぐ王道、絶海の船上！（笑） 変わっているのは、構成。 警部と、あやしまれている各人の視点で順番に話が進行するんだけど、 主人公である外交官ファンドーリンだけは、 つねに「登場人物」として第三者の目を通して書かれるのだ。 だから彼に好意を持っている人物からは「ハンサムでスマート」な男性、 嫌っている人物からは「油断ならないロシア人」として見られる。 ちなみに、真犯人の視点から書いたのも、ちゃ〜んと含まれているからスゴい。 あとから読み返したら「そうだったのか！」と思うのよねぇ。 これがミステリのええとこですわ。