Ｓ＆Ｍシリーズの、発表順としては一作目。 （著者の書いた順は違うらしい） 孤島で起きた殺人事件という、大〜きな「密室もの」ですかね。 主人公は女子大生お嬢様の西之園萌絵ちゃんなんだけど 彼女はものすごく頭のいいワトソン役で 最終的な謎解きは助教授の犀川先生がやってくれます。 理系ミステリと言われてますが、会話がシャープだったり 登場人物の思考回路の切り替えがわりと早いか？ と感じたくらいかなぁ。 あと、特にこの『Ｆ』に関しては、トリック解明を聞かされても 表面部分で「そうかぁ！」と納得したのですが 細かいところは全然わかりませんでした（笑） さすが天才・真賀田四季。

またまた密室だ！　…って、そうタイトルで書いてあるけどね。 今度の舞台は大学の実験室。 萌絵お嬢様ったら行動派なもんで あやうく犯人に殺されかけてま〜す。 前作に比べると、シンプルで「推理もの」らしい印象。 とはいえ、トリックの部分はやっぱり少し難しいのだった。 推理とは関係ないんですが 犀川研究室ではMac使ってるんですね〜、むふふ。

考えてみたら、このシリーズって 変則的なものも含めて密室だらけなんだわ。 郊外にひっそりと建つ著名な数学者の住居「三ツ星館」 館の主はマジシャンのように、庭の銅像を消してみせた。 困惑する来訪者たち。 夜が明けると、さらに彼らを困惑させる出来事が待っていた…。 萌絵お嬢様…建築科なのに、製図引くのん嫌いなんですか（笑） まぁ、どっちゃかというと材料工学が好きみたいやもんね。 ちなみに、この事件は自分でトリックの大部分が解けて ちょっぴり「えっへん」と思った一作。 犯人は全然違ってたけどね。 名探偵に言わせると 「トリックがわかれば犯人も見えてくる」もんらしいけど そうそう簡単にはいかないっすよ〜。

おお〜、見立て殺人ってやつですな。 連続殺人事件の状況は、ある歌手が歌う内容にそっくりだった。 はたして偶然か？　彼は事件と関係があるのか？ 今回、結構大学のシーンが多くて 推理とは別におもしろかったです。 萌絵お嬢様、ちゃんと学生さんをしているではありませんか（笑） ゼミの研究シーンの他にも、大学祭のシーンなんかがあって 意外とキャンパスライフを楽しんでいらっしゃるご様子で。 でも、また命狙われてますけどね…。

現実の事件と、からくりの箱とが「かけてある」のがおもしろい。 ついでにタイトルも英文と和文と両方に「意味」があるんだな。 不思議な言い伝えのある、からくりの箱の所有者が 二代続けて変死した。 ふたつの事件につながりはあるのだろうか？ 実は、私、このシリーズをこの作品から読んだのです。 ちょっと不思議なタイトルに惹かれたのと 初版の表紙のデザイナーさん（辰巳四郎）が好きだったので。 しかーし！　シリーズものは、やはり順番に読むのがよろしいかと。 最初に読んだ時は「なんでこんな娘が！」 という性格に思えた萌絵お嬢様も ５巻目として読むと全然違和感がない（笑）

短編集なので、『ミステリィ対戦の前夜』『誰もいなくなった』 の２編しか萌絵お嬢様は出て来ないんだわ。 シリーズ外の話は…キャラの名前が変わってるなぁ。 阿竹スピカとか…つけるか？そんな名前（笑） でも、森ミステリの女性たちは芯がしっかりしてる感じが好きです。 萌絵お嬢さま… 今回はせっかく自作のトリックがうまくいってウキウキだったのに 犀川センセってば苦もなく解いちゃうんだもん。そら怒るわな。 虚空の黙祷者 純白の女 彼女の迷宮 真夜中の悲鳴 やさしい恋人へ僕から ミステリィ対戦の前夜 誰もいなくなった 何をするためにきたのか 悩める刑事 心の法則 キシマ先生の静かな生活

できれば、次の『夏のレプリカ』を横に用意してお読みください。 なんと同時進行で二つの事件が起きる上 ゲストキャラの一部もかぶってます。 マジシャンがショーの最中、衆人環視のもとで死んでしまう。 殺人か？　覚悟の自殺か？ 大学の友人とショーを見ていた萌絵お嬢様に この謎は解けるのか。 …なんか、もう謎解きどうでもよくなった（笑） 恋愛小説を読んでいる気分です。 どんどん萌絵お嬢さまに感情移入してるわ〜。 ああ、私も諏訪野みたいな執事にお世話されたーい！ しかし、お嬢様第一主義の彼も 萌絵が「すごいじゃん、諏訪野」なんて言ったりすると 「お嬢様、そのお言葉遣いは適当とは申せません」とかって ピシャリと怒ったりするのがグーね。

そして、同時進行していたもうひとつの事件。 萌絵の友人が、帰省した実家で事件に巻き込まれる。 県会議員の父を含め、家族が何者かに拉致されたのだ。 しかし、仲間割れをしたかのような形で一家が解放されたあと なぜか長男だけが姿を消していた…彼はどこへ？ この事件、萌絵自身が事件にかかわってくるのは 物語の後半になってから。 裏では『幻惑…』の捜査でいっぱいいっぱいでしたからね〜。 ２冊読み終わったあとで 時系列にそって読み直すのもおもしろいかも。

避暑地にある別荘で、またまた密室殺人が発生。 しかも古典的！に嵐で電話さえ通じない状態になってしまう…。 招かれた人々は、お互い疑心暗鬼で犯人を探しはじめた。 この別荘に居合わせた男性の一人称で語られる 事件の真相とは？ こ、これ、何書いてもネタバレになるのか？ そう考えると、タイトルつけるの上手いよな…。 とにかく「お嬢さま」という人種はすごいのだってことさ。

模型ファンのイベント会場で、モデル女性が殺された。 容疑者と目された人物は、なんと同じ頃に起きた 女子大学院生殺人事件の容疑者でもあった…。 もうね、この分厚さ（700Ｐ）前にしたら、推理する気とかなし。 そんな中で萌絵お嬢さまは、相変わらずブッ飛ばしてます♪ 事件面でも、私生活面でも…ずいぶん世慣れてきたよなぁ！ 今回はわりと喜多先生の出番が多かったので、嬉しいですね。 犀川・萌絵コンビに比べると、喜多先生は常識人だしぃ〜。 大御坊氏は、私、志茂田景樹氏のイメージで読みました（笑）

大学の友人たちと 日本最大のソフトメーカーが経営するテーマパークに 旅行に来た萌絵お嬢様。 そこでは昔、死体消失事件が起きたことがあるという。 そして彼女の到着を待っていたかのように新たな事件が…。 ついに、シリーズ最終巻！ でも、決着着いてませんけど？ 結局、萌絵お嬢さまのトラウマ治ったん？ 最終巻のわりにレギュラーキャラの喜多先生は出て来ないし…。 （あ、諏訪野はラストにちょっと出たか〜） ラヴちゃん、こと反町愛ちゃんが良かったね。 「俺」とか言ってるけど、意外にナイーブな医学生。