またおもしろいコージー・ミステリを見つけてしまった！ 駅前ビルの新刊書店・成風堂。 そこを訪れるお客さんたちから聞かれた質問や、 書店の従業員にふりかかる問題を、 店員の杏子とバイトの多絵ちゃんが解き明かします。 北村薫風の「日常の謎」に心奪われながら、 『暴れん坊本屋さん』なネタも楽しめるという、 とってもオイシイ一冊でした。 巻末に、なぜか書店員の座談会もついてるのだ〜（笑） ちなみに「パンダの出版社」って、どこのことかわかります？ むふふふ。 ★収録作品★ 『パンダは囁く』『標野にて。君が袖振る』 『配達あかずきん』『六冊目のメッセージ』 『ディスプレイ・リプレイ』

今回は成風堂を離れ、 信州にある昔ながらの書店で起きた事件を解決します。 その書店をひいきにしていた作家の殺人事件にからんで 幽霊騒ぎが起こり、店を閉めようか…という話になる。 で、そうはさせたくない面々が 何とか謎を解こうとするわけですね。 でも、どっちかというと事件そのものより、 主人公の杏子さんの目を通した 「町の小さな老舗書店」事情がおもしろかった。 特に老店主のこだわりの書棚…見てみたいわぁ！ それにしても、彼といい、その息子といい、杏子さんといい… みんな本屋の仕事を愛しているんだな。 たぶん、それは著者の心そのものなんでしょう。

今度は短編集に戻りました。たしかに短編の方があっているかも。 ぴりっとまとまっていますね。 事件の大きさも、やっぱり殺人とかがからまないのがいいな。 だいたい本屋で働いていて、 そうしょっちゅう刑事さんが来るのも（笑） 「本屋好きの刑事」をひとり、 キャラとして配置したのはアイデアですね〜。 そんなわけで、結末が暗めの表題作より、 ラストの小ネタ事件が好きです。 ★収録作品★ 『取り寄せストラップ』『君と語る永遠』 『バイト金森くんの告白』『サイン会はいかが？』 『ヤギさんの忘れもの』