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★作者 | 荻原浩 |
| ★出版社 | 光文社 | |
| ★データ | 2004年10月刊 | |
| ★ISBN | 4-334-92446-8 | |
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映画のＣＭもバンバン流れてるし、話のあらすじも知ってるし、 必然的に結末もだいたい見えてるし。…というスレた気持ちで読み始めた本。 本当は発売されてすぐくらいに読みたいリストに載せてたんだけど、 時期を逸してる間に映画化の話が広まり、 今度はあっという間に予約がたくさんになって、 なかなか借りられなくなってしまったのだ。 で、結論。わかってても、きますわ…。 主人公が自分が若年性アルツハイマーだと自覚してから、 それにあらがおうとする前半は、それなりに予定調和というか… そうくるだろうなっていうのが正直ありました。 でも、娘さんの結婚式を終えたことで社会的な責任から解放され、 ようやく自分の病気と向き合っていく決心をしてからの後半は。 失態を繰り返すさまの描写が続いてた前半も、 ここで生きてくるんか〜と思えるくらい、胸にせまる展開です。 そして、終わり近く、 彼が心の拠り所にしていた陶芸釜をたずねて行くシーンのあたりからは、 もう通勤途上では読むのムリ！と判断して、家で読んだのでした。 そうそう、『アルジャーノンに花束を』でもそうだったけど、 主人公のつけている日記からだんだん漢字が減っていくところがリアルで怖かったな。 実際に日本でも、この病気に罹られている方はたくさんいるって、 前に報道番組でも言ってました。 本の中では特効薬が開発されるのは五年後か十年後か…みたいに書かれていたけど、 実現が望まれます。