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★作者 | 石田衣良 |
| ★出版社 | 徳間書店 | |
| ★データ | 2004年刊 | |
| ★ISBN | 978-4-06-275779-9 | |
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末期の脳腫瘍による頭痛で苦しむ周治は、 その痛みから現実逃避するように二百年後の世界へ意識を跳ばす。 そこでは黄魔と呼ばれる新種インフルエンザが猛威をふるい、 人々は超高層建造物の中で暮らすことを余儀なくされていた…。 世界の崩壊をまねいたのが核とかじゃなくて、インフルエンザってのが怖いですねぇ。 居住空間が高高度ってのも、高所恐怖症の人間にとっては怖いですけど。 （地上に住んでるのは最貧困層という設定） 主人公の周治は病苦から投げやりになってるんですが、 二百年後の世界ではそれが良い方に作用します。 つまり、本人“夢”だと思ってるんで 「どうせ夢だし、もう死ぬんだし、やりたいようにやればいいや」という。 脇を固めるキャラもいいです。 最初にちょっと現実社会の周治の会社の同僚が数名出てくるんですが、 うまいぐあいに未来とつながっている。 世間狭っ！て気もするが、そこはそれ、ＳＦですから（笑）