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★作者 | 小川洋子 |
| ★出版社 | 中央公論新社 | |
| ★装幀 | 寺田順三 | |
| ★データ | 2006年4月刊 | |
| ★ISBN | 4-12-003721-5 | |
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最初に申し上げておきましょう。この物語はハッピーエンドです！ 安心して読んで下さい〜。 なにしろのっけから、父の死で母と離れて伯母の家に預けられた女の子が主人公で、 その預けられた家には、病弱ないとこがいて…と、不幸を案じさせる設定。 しかも、日を追うにつれ、優しい伯父さんに秘密があったりとか、 いとこが大きな発作をおこしたりとか、事件がいろいろ発生。 読み進めながら、心のどこかで結末を予測していたのも確かです。 でも、違った。著者はステキな軟着陸をしてくれたのだ。 年代的にちょっと上の世代のようですが、まあ、オリンピックは４年に一回あるし。 ベルリンのバレー日本選手団に熱狂するミーナたちの心は、 ロスの体操選手団に熱狂する心と同じでしょう（笑） それから、この小説が素敵なのは、小道具の使い方。 ミーナのお父さんの会社で作っている清涼飲料水フレッシー、 ミーナが集めているマッチの空き箱とその中にしまわれた創作小説、 ミーナを健康にするために作られた妙？な機械、そして大切なカバのポチ子。 たった一年間だけど、その一年が人生でどんなに大きなウェイトを占めていたか…。 その幸せな記憶をたどることが出来る、おだやかな物語でした。 なお、もとが新聞小説（読売新聞）なので、要所要所にはさみこまれた挿画もグー！ 物語を彩るやさしくて、ちょっと不思議なタッチの絵です。