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★作者 | 伊坂幸太郎 |
| ★出版社 | 文藝春秋社 | |
| ★装幀 | 関口聖司、藤里一郎 | |
| ★データ | 2005年6月刊 | |
| ★ISBN | 4-16-323980-4 | |
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便宜上「千葉」という名を与えられた死神を主人公にした短編集。 彼が「仕事」をする時は、いつも雨降り。 楽しみは、人間界の音楽…ミュージックを味わうこと。 仕事をしながらＣＤショップに飛び込んで、さまざまなミュージックを視聴する。 こんな素晴らしいものを作る人間が、一方では愚かであったりもする不思議。 ひさしぶりに、読み終わるのがもったいないわ〜と思った。 まず、病死や自殺以外の人の「死」は、 死神がさりげなく事前に本人をリサーチして、 その可否を決定しているっていう設定がおもしろいよね。 それも、きっちり一週間後に結果があらわれる。 このルールが上手に使われていたのが『死神と藤田』だね。 そうなるのか！と指を鳴らしたくなりました（鳴らせないけど） 全部の話の中で、これが一番好き。 『死神の精度』『旅路を死神』もいいなぁ。 『吹雪に死神』はちょっと異色で、雪の山荘ミステリ風なのだ。 でも、ちゃんとルールにのっとって解決されちゃうのが、すごい。 『恋愛で死神』も…ちょっと変わった恋のおはなし。 直球・恋愛小説は苦手な私ですが、こういうカーブはストライクゾーンです（笑） この話と最初の話が『死神対老女』につながるのが見事。 なんか、どれも最終的には対象者が死ぬってわかっているのに、 こんなに心を惹きつけるのはなんなんでしょう。 たった一週間の濃い人生を、死神と一緒に味わうからか。 ちなみに、ブルーを基調にした表紙もかっちょいいです。 風で傘が舞い上がる感じの構図も、すごく物語とあってますね。
★収録作品 『死神の精度』 『死神と藤田』 『吹雪に死神』 『恋愛で死神』 『旅路を死神』 『死神対老女』