おもしろいもので、やっぱり設定が似ていても、 作者が違うと別の物語が生まれるものなのですねぇ。 さまざまな事情があって安いアパートを探している人たちが たどりついた破格の家賃の「てふてふ荘」 そこには一室にひとり先住の幽霊がいるのでした！ …って、この設定だと『妖怪アパート』を思い出す… なんて思いながら読みはじめたんだけど、 こちらは一室ずつ、正面から幽霊に相対して紡がれる物語でした。 １号室の恋に破れた若者には明るい女性幽霊、 ２号室の洒落っ気のない女子には飲んべえのおっちゃん幽霊、 ３号室のムショ帰り元詐欺師には女優志望だった美女幽霊… と、こんな感じで６号室まであります。 この組み合わせは、大家さんが入居希望時に見せてくれた写真で 各自が選んだもの（その時は幽霊の写真とは知らない） 読み進めていくと、ちゃんと理由があることがわかります。 どの部屋の話も良かったけど、私は３号室の早智子さんが好き。 特にラストが…素直に良かったなぁと思えたわ。 そして６室全部の話が終わった時、 全体を通して流れていた物語もまた終わります。 読了後、つい１号室に戻って読み直しちゃった( T^ T )