|
★作者 | こうの史代 |
| ★出版社 | 双葉社 | |
| ★データ | 2004年10月刊、 手塚治虫文化賞新生賞・文化庁メディア芸術祭大賞 | |
| ★ISBN | 4-575-29744-5 | |
| ★分類番号 | 726.1（漫画） | |
| Amazon.co.jpで詳細を確認する | ||
ちょっと気軽に寸評とか書ける本（漫画）じゃないです。 いろいろ考えたけど、この本に関してはもう、ただ「読んでください」としか言えない。 読んでもらって、自分のなかに残ったもの、お互いそれを大切にしていきましょうよ。 それが、この本が伝えたかったことでもあると思うから。 広島に原爆が落とされて１０年。 ようやく落ち着きを取り戻したかのように見える「夕凪の街」に生きる皆実。 さらに時を重ね、広島を離れて暮らしながら、 広島とつながっている現代の「桜の国」で生きる七波。 戦いのシーンは現れず、ただ淡々と彼女たちの日常に目を向けた３つのお話は、 決して重く暗い調子では描かれていません。 思わず笑ってしまうような、微笑ましいやりとりすらあります。 漫画のいいところのひとつは、 空白をいかせるってところだと思うのですが、これは非常に効いてます。 けして「無」ではない、空白。 そして、おだやかな線。 静かに、静かに、心の中に降りつもるもの。 ぜひ、読んでみてください。