スニーカー文庫なんて、久しぶりに買ったなぁ。 ラノベ試し読みミッションで手を出してみたのですが、 うっかり面白かった…。 萌え系な絵でちょいと年齢層を選びそうな外見ながら、 中味はけっこ〜ブラックな展開でしたわよ。 舞台は少しパラレルっぽい、たぶんイギリス。 一人の少女と旅をする青年が、 旅先で遭遇する事件を追う連作短編です。 すぐ明かされるけど、少女のほうは実は人間じゃなくて、 まぁ…ブラックホール的「本棚」な存在なのですね。 （そんなもんがあったら、超うらやましい！） そこには数々の幻書がおさめられていて、 人間に「貸出」されている。 で、どうやら青年は、かつて貸出されたそれらの本の 「返却」依頼のために旅しているようです。 幻書に魅せられて人生を狂わせるものの末路を訪ね歩く旅。 もう少しつきあってもいいかな〜。

１巻がうっかりおもしろかったので、続き。 やっぱりダリアンが可愛い…。 見た目やきもちやきの「姫」な少女ですが、 少しずつ小出しに明らかにされている感じでは、 幻書を管理する空間にとらえられている存在みたいね。 この巻では、ダリアンと旅をする青年ヒューイの従妹にあたる カミラが関わっていた章が面白かったわ。 なんちゅ〜か、幻書にまどわされない人間もいるのねってことで。

３巻目にもなると、書くほうも余裕が出て来たのか、 今回はちょっと脇道にそれたっぽい話が多かったかしら。 その中では、不思議な幻獣に襲われる町の章が面白かった。 もともと仮想世界が舞台の物語だけど、 そこを逆手に取られたというか…おっ！と思いましたわ。 それから『竹取物語』の新解釈も、意外と納得。

全体にダークな結末のが多かったな…。 まぁ、合間にちょっとニヤリ系の小話がついていたりしますが。 全５話が収録されいまして、 個人的には全寮制女子校で起きた事件の解決に乗り出す １話目の感じが好みですかね。 中に必ずひとつはダリアンじゃないキャラが主役のやつが 混じっている作りにするつもりかしら。 どうも、幻書を管理するダリアンの他に、 それを焚書して歩く娘と、それを生み出す娘とがいるみたい。 今後「縦軸」として語られるのでしょうか？

むふふ。ダリアンって、ほんと小動物苦手やねんな。 そんなわけで、猫がらみの２話目がかわいかったです。 あと、幽霊船ネタの３話目も、 定番といえば定番な展開で、楽しめましたな。 「航海は続けなければならない」のが、 幽霊船の宿命…ひ〜、怖っ！ 前巻で出て来た元気な女学生さんが、 この幽霊船の回で再登場。 ヒューイの従姉妹とともにレギュラー化するのかしら。 こういう外見年齢の近い子と絡むと、 ダリアンの子供っぽい一面が見えるので愉快ですが。

なんとなく…この作家さん、ロマンチストかも。 そんな感想を抱いた２話目。 古今東西、愛するものを永遠にその姿で留め置きたいと 切望するものは絶えないのでございます。 今回は３話目と４話目が同時進行で起こっていた、 という試みも収録。 ３話目の方がダリアン一行の事件で、 ４話目は焚書官サイドの事件。 とある事情により、いつもの黒服じゃなくて フツーの女の子らしい洋服に着替えたダリアンが見られます。

めずらしく風邪をひいてしまったヒューイが巻き込まれた事件、 前にも登場した女子校で起きる事件、 幻書の力で人格の変わってしまった幼馴染みを 心配する青年とともに幻書を取り戻すべく画策する事件、 などが入った第７弾です。 最後はちょっと毛色の変わったネタ。 ヒューイと旅をしていないダリアンが…。 シリーズ通して読んでいる人間がニヤリとする仕掛けあり。

３話入った第８弾ですが、 真ん中の１つは、ツッコミどころ満載(^□^;) 幻書か！？　幻書なのか！？ ま、そのぶん他の２つはシリアス目でしたが。 １話目のほうはSFテイストで、 ちょっと奥地の探検隊っぽくもあり。 でも別に作品世界の謎が解けたわけではない。 ８巻目まで巻数を重ねたんで、 そろそろダリアンたちの存在自体のネタふりでも しはじめるのかな？…と思ってたんですけどねぇ。