ナイマはバングラデシュに住む女の子。 民族画のアルポナを描くのがとても上手で、 村一番になったことも。 けれど、彼女は幼馴染みの少年サリームのように、 父親の仕事を手伝って家計を助けることができないのが心苦しい。 この国ではまだまだ男と女の仕事がわかれているから、 女が外の仕事をすることは考えられなかったのだ。 それでも何とか父親の仕事を手伝おうとしたナイマは、 逆にあやまって仕事道具のリキシャを壊してしまう。 それは父親がやっとの思いで手に入れたものだったのに…。 落ち込んだ彼女は大好きなアルポナを描くことも止めてしまった。 そんなある日…。 家族のためにと思ってしたことが、家族を苦しめる。 リキシャの大切さを知っているナイマだからこその哀しみ。 胸がしめつけられるようでした。 でも、何より家族があたたかいのね。 普段は「男の子だったら稼ぎ手になった」 なんて言っちゃうお母さんも、 親戚のおばさんに対しては毅然とした態度でナイマを擁護するし、 本当はどなりたいだろうお父さんも、 ナイマの気持ちをくんでくれる。 サリームも協力してくれるしね（ここがなんか可愛いねん） ナイマはどうやって、リキシャを直すのか？ ふたたびアルポナを描く気力は戻るのか？ ちなみに、現実の問題もからめて書かれたこの物語。 グラミン銀行の話が出てきてびっくりしました。